みなさんは日常生活の中で次のように困ったことはありませんか?
仕事や学業のスケジュール管理が大変
家が片付かない
友人とうまく付き合えない
また、発達障害を持つ人たちを支援している人の中には、
上記のような困りごとにアドバイスしようとしても、
次のように悩んだ事はありませんか?
支援の具体的な方法を伝えたいのに思いつかない
実際に効果があるか分からないから言いにくい
当事者の方は苦手なことに対して
必死に向き合って生き抜こうとしていますし、
支援者の方も一生懸命にその苦しさを軽くしたいと思っていますから、
役に立った・やってみて良かったと思える情報を提供したいですよね。
そのように今悩んでいる・困っている方に
おすすめしたいのが、ライフハックに関する本です。
わたしは子どもたちや保護者にアドバイスをする時には
ライフハックの本に書かれている内容を参考にしながら話していますし、
実際にやってみて良かったと好感触を持った方も多いです。
次の章から、わたしがお勧めする本とその内容を紹介します。
本の概要

今回みなさんにおすすめしたい本はこちらです。
タイトル:「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック
著者:姫野桂
出版社:株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
この本を簡単に説明すると、
発達障害を持っている、またはそうかもしれないと思う方が
日々の生活にすぐ使える「工夫=ハック」が書かれた本です。
発達障害には
自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(AD/HD)、限局性学習症(SLD)など
さまざまありますが、
みなさんそれぞれに苦手さがあり、その苦手さも多岐にわたります。
本書は発達障害の当事者の方々に
どんな工夫をして生きやすく過ごしているのかを
ウェブと紙によるアンケートを実施し、
実に126名もの方から回答を得て作成しています。
これほど多くの方が答えたハックの中には
まさに今みなさんが直面している悩みもあるでしょうし、
何か役に立つ方法もあるのではないでしょうか。
ハックの実践は日々のミスや困り事を減らすことが目的ですが、
その他にも、できない自分を責めたり卑屈になってしまうのを
防止する効果も期待できます。
そのような皆がもっている苦手さを乗り越えていくための工夫=ハックが
仕事・日常生活・人間関係・体調管理に分かれて書かれています。
章のはじめにマンガも描かれていてとても読みやすいですよ。
本書のポイント

次に私がポイントだと思う点を述べていきます。
先に説明したように、本書は仕事・日常生活・人間関係・体調管理に分けて書かれています。
仕事に関するライフハック
ここにはタスク管理や忘れ物、抽象的な指示への対応などについて書かれています。
対策としては、
メモを取って付箋に貼っておく
チェック表を玄関に貼って見えるようにしておく
文章(メール等)にしてもらって確認する
などの方法が書かれています。
これらの重要な点は、
仕事をする大人に限ったハックではなく、
学齢期のお子さんや高校・大学生でも十分使えるものになっている事です。
忘れ物が多かったり、何を言われているのか分からなくて困っているという
子どもは多いと思います。
それにこうした行動をなんとかしてあげたいと思っている
支援者や保護者もたくさんいらっしゃるでしょう。
そうした方々にとって本書の内容は参考になると思います。
日常生活に関するライフハック
この章には主に片付けやお金の管理に関する内容ですが、
旅行の時に大荷物になる、入浴が面倒といった悩みも書かれています。
この章では仕組みを作ることの重要性が書かれているとともに、
「完璧を目指さない」、「ゆるく管理する」事の大切さも書かれています。
自分を追いつめるようになってしまうと、
そこから逃げたり目を向けられなくなったりするので、
どんどんネガティブになっていきます。
こうした感情を抱えて生活するのは色々なところに
悪影響が出てしまいますよね。
そういった感情にとらわれないためにも、
ライフハックを利用してほどほどに管理できれば良いを目指すのは
大切なことだと思います。
人間関係に関するライフハック
主に他者とのやりとりでトラブルになってしまうという悩みや、
人との関わりから生まれる「嫌われたくない」、「自信が持てない」といった
気持ちに対するハックが書かれています。
この場合、アドバイスとしては
「距離感が大切」という事がよく言われますが、
それが難しいから困っているのだと思います。
本書にも距離感が大切だという事は書かれていますが、
近すぎる場合と逆に離れた方が良い場合とが
バランス良く紹介されているのが良い点だと思います。
そして当事者会や専門家に相談する事など
色々な人に助けてもらう事も重要だと述べています。
自分の体調管理に関するライフハック
この章は日々の生活で現れやすい不調について書かれています。
例えば、
「疲れやすい」、「朝起きられない」など
といった内容です。
私がこの章で注目したいのは
感覚の特性からくる体調不良への対処が多く書かれている事です。
感覚の問題というのは他者と比較することが難しいため、
当事者の方は知識としては持っていても
気付いていないというパターンが多いのではないかと推測されます。
この章はそこにフォーカスを当ててハックを紹介しているので
参考になる人も多い内容だと思います。
例えば、
感覚を遮断すると疲れがたまりにくい場合があるため、
ノイズキャンセリング付きイヤホンやサングラスの使用などが書かれています。
感想

この本に書かれているハックは本当に数が多く、
そしてすぐに実践できる内容なのが良いところです。
特に社会人になりたての方は、
仕事をするようになって
人づきあいが大変になった・家事が回らなくなったという方は多いと思います。
そのような悩みを持っている方は一度目を通しても良いと思います。
また私を含め支援者の方は、
当事者の方やその子どもを持つ親に、
「何か良い方法はないですか?」と支援方法をきかれたことがあると思います。
しかし、具体的な方法がすぐに思いつかなかったり、
これだ!と思って紹介しても
「私にはできない」、「難しくて続けられない」と
言われてしまった経験があるのではないでしょうか。
そんな支援者の方がこの本を読むことで、
紹介できる具体的支援の引き出しを増やすことができます。
この本の中で私がなるほど!と思ったのは、
「外出する時に大荷物になる」という悩みに対するハックです。
色々不安になって何でもかばんに詰め込んでしまうと
こういった事態になりがちです。
これに対するハックは「かばんを小さくして持ち物を厳選する」というものでした。
物理的に入る量を減らしてしまうというアイディアは思いつくようで
意外と盲点だったなと発見がありました。
良い方法を紹介してもらった方は悩みが解決できて嬉しいですし、
支援が良いものだと思って実践してもらえると
伝えた方も嬉しいですよね。
そして繰り返しになりますが、
ライフハックを利用する最大の利点は、
困り事を解消したその先にある
「生きやすさを感じる」、「卑屈にならない」、「これで良いんだと思える」
そんな心の安静につながっていく事だと思います。
ここでは紹介しきれないハックがたくさん書かれている本書は
手元に置いていつでも見返したい1冊になると思います。
興味を持った方はぜひお手に取ってみて下さい。
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