このページでは、
私が読んだ本の中で療育に活用できる
お勧めのものを紹介します。
今回の本はこちらです。
タイトル:発達障害大全 「脳の個性」について知りたいことすべて
著者:黒坂真由子
発行所:株行会社 日経BP
本の概要
この本は、著者と13名の方による
1対1の対談形式で書かれています。
対談者は、
医師、学校長、発達障害の当事者、経営者など
多岐にわたっています。
そして対談した内容を著者がまとめて感じた事が
書かれています。
著者はこの本を書くにあたって、
「知っておきたかったこと」
「知りたいこと」
「知っておいたほうがよさそうなこと」
の3点を書きだして整理し、
それらを網羅できるよう取材したと述べています。
発達障害とは何かを知りたいと思った方が、
できるだけ多くのキーワードに出会えるよう
構成されています。
感想
先に言っておきますと、
この本を読み切るのは大変です。
なにせ参考文献や索引のページを除いた
本編が585ページもあります。
しかし対談形式なので難解な文章は無く、
読みにくいなと感じる事はありませんでした。
そして発達障害に関する重要なキーワードは、
この本にほぼ出尽くしている
と言っても過言ではありません。
自閉スペクトラム症・境界知能・ADHD・学習障害の診断と対応はどうなっているのか
発達障害の当事者の方はどのように世界を捉えているのか
学校での教育がどのような方法で提供されているのか
保護者はどのように接していくのが良いのか
障害者雇用と一般雇用はどう使い分けて活用されるのか
他にもたくさんテーマとして挙がっており、
それぞれのテーマで1冊の本が出来上がるくらいの内容ですが、
重要な点は「発達障害大全」にまとめられていると感じます。
私自身はこの本を読んで、
重要な知識の確認と更新が出来た事で、
保護者への情報提供に自信を持つことができました。
私は医療の領域で働いているのですが、
どうしても教育、福祉、雇用の分野の知識が不足しがちです。
発達障害の子を持つ親には
子どもが将来どのように育っていってほしいのかを
イメージしながら話していく必要があります。
しかし私は、
障害者手帳をとる事の意味合いであったり、
障害者雇用の事を伝える時に、
あまり具体性を持たせられずに話していました。
この本を読んだ今では、
(これは本にも書かれていた内容だから自信をもって紹介できる)
(昔は出来なかった事だけど、今は制度が変わっているから伝えても大丈夫)
このように考えながら情報共有をする事ができるようになりました。
やはり自分が置かれている分野以外の知識を得る事は、
子どもとその親の生活を考えていく上で
必要不可欠だと認識しました。
まとめ
「発達障害大全『脳の個性』について知りたいことすべて」は
新しい知識の獲得と総まとめとして大変良い本です。
療育に携わる人であればどなたでもお勧めです。
この本をきっかけとして、
興味を持った分野をどんどん調べていく
という使い方もできると思います。
読んでみたいと思った方は、
是非お手に取ってみてください。
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